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【2025年法改正】4号特例縮小について解説

住宅業界において2025年を境に大きな変化が訪れます。それは「4号特例」の縮小という、家づくりにおける基本ルールが見直される出来事です。これにより、これまで簡略化されていた建築確認手続きが見直され、安全性と品質の向上が求められるようになります。


今回のコラムでは、法改正の背景や内容、構造計算の重要性、そして私たち工務店がどのように対応していくのかを紐解いていきます。


4号特例とは?法改正の背景を理解する

まず、「4号特例」とは、特定の条件を満たす小規模建築物において、設計図書の確認や現場検査を省略できる制度です。


例えば、木造建築物では延べ面積500㎡以下、高さ13m以下などの基準を満たす場合、従来は詳細な構造計算書を提出する必要がありませんでした。この特例は中小規模の建築物に対し、手続きの簡便性を確保する目的で導入されましたが、実際には一部のケースで構造安全性や防火性能に不備が見られることもありました。


改正後は、こうした抜け道を防ぎ、より安心して住める家を提供するために、審査基準が見直されます。特に構造計算や防火性能の確認が義務化されることで、小規模住宅であっても施工品質が大きく向上する期待が寄せられています。


改正の具体的なポイント

法改正で注目すべき点は、設計段階で求められる「構造計算適合性判定」が義務化されることです。これにより、木造住宅を含む小規模建築物であっても、耐震性や耐風性能を正確に計算し、確認申請書に添付する必要があります。


例えば、従来は「壁量計算」といった簡易的な方法で済んでいたものが、許容応力度計算や詳細な偏心率のチェックが求められるようになります。


また、法定審査期間もこれまでの7日~14日から、場合によっては30日以上に延長される可能性があります。この変更により、設計段階での緻密な計画と、工期に余裕を持った調整が欠かせません。


構造計算の重要性

構造計算は、建物が地震や台風などの外力に耐えるための設計を行う上で欠かせないプロセスです。具体的には、柱や梁の強度、耐力壁の配置バランス、接合部の補強が正しく行われているかを検証します。この計算によって、建物が「安全に長く住み続けられるか」が決まるのです。


さらに、耐震性能の指標として「耐震等級」があります。これは建築基準法の基準を最下限とする耐震等級1から、消防署や警察署と同等の基準を持つ耐震等級3まで3段階に分けられます。


改正後は、耐震等級2以上を求める施主が増えることが予想され、特に地震の多い地域では、耐震等級3の設計が主流になるかもしれません。


UNICO STYLEでは以前より【許容応力度計算による耐震等級3】を標準としておりますので、今回の法改正において大きな影響はありません。


法改正がもたらす工務店への影響

今回の改正により、かなり多くの工務店の業務に大きな変化が求められます。


まず、設計図書の作成に必要な工数が増えるため、設計スタッフの育成や専門性の強化が必要不可欠です。さらに、構造計算書の作成や審査対応には専用の設計ソフトや構造設計士との連携が求められるため、設備投資や社内体制の見直しも進めなければなりません。


今回の法改正に対応出来ない工務店は、今後家づくりを生業とすることは非常に難しいと言えます。


施主への影響と改正のメリット

施主にとって、法改正による一番の懸念はコストの増加かもしれません。構造計算や確認審査の追加により、建築コストが10~15%程度上昇する可能性があります。しかし、その一方で得られるメリットも大きいです。


例えば、耐震性能や防火性能が強化された家は、災害時のリスクを軽減し、長期的に安心して暮らせる環境を提供します。


また、耐震等級3以上の住宅では、火災保険料の割引が適用されるケースもあり、結果として経済的なメリットも得られる可能性があります。さらに、こうした高性能住宅は、中古市場でも資産価値が高く評価されるため、施主にとっても大きなメリットとなります。


地域工務店の真価が問われる

UNICO STYLEとしては以前より取り組んできていることですので、今回の法改正は前向きに捉えています。確かにこれから取り組む工務店は設計・施工コストが増え、業務負担も大きくなるでしょうからネガティブな意見も少なくはないようです。


しかし、法改正は住宅業界全体の品質を底上げし、より住まい手が安全に暮らせるには絶好の機会でもあります。住むのは建てた工務店ではなくあくまで建築主である施主様です。法律で定められていなくても工務店は取り組むべきことであると私は考えています。


最後に

私たちは、地域工務店として法改正後もお客様にとって安心・安全な住まいを提供する使命を果たしていきます。家づくりを考えている方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。一緒に安心・安全な家づくりを考え、実現していきましょう。

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