Story
フルリノベストーリー
長年使われていなかった会社の倉庫を、家族の絆を育む住まいへと再生させた物語です。一時は倒壊の危機さえあった建物が、どのようにして家族の「秘密基地」へと生まれ変わったのか。その軌跡をたどります。
建物が抱えていた
「倒壊寸前」の真実
リノベーションの現場では、解体を始めて初めて判明する事実が少なくありません。今回の舞台となった古い倉庫も、いざ着工してみると建物全体が大きく傾き、大地震が来れば倒壊する恐れがあるほど深刻な状態でした。
「新築に建て替えた方がいいのでは」という選択肢が頭をよぎるほどの困難。しかし、そこには新築住宅では再現できない、歴史を重ねた「立派な小屋梁」と「圧倒的な大空間」という素晴らしいポテンシャルが眠っていました。
私たちはこの建物の価値を信じ、再生への道を歩み始めました。
着工前の様子。この小屋梁こそが、のちに空間の主役になりました。
目に見えない部分に宿る
「プロの執念」
家族の笑顔を守るためには、表面的なデザイン以上に「安全の土台」が欠かせません。
基礎の補強から構造体の傾き修正まで、徹底的な耐震補強を実施しました。「絶対に安全な家にする」という約束を果たすための、最も重要なプロセスです。
前面道路の騒音をカットし、静かな睡眠環境を確保するため、壁内には「セルロースファイバー」を隙間なく施工しました。断熱・防音に優れた自然素材を用いることで、一年中快適な室内環境を実現しています。
おしゃれなインテリアの裏側には、家族の命と健やかな日常を支えるための、確かな技術が込められています。
左:耐震補強とあわせて設置した制震ダンパー。右:壁と屋根に隙間なく施工した断熱材。仕上げてしまえば、どちらも見えなくなる部分です。
親の愛情を形にした
「遊び心」の仕掛け
安全という土台が整った空間に、いよいよご家族の夢を詰め込んでいきました。高い天井を活かしたブランコやハンモック、壁一面のボルダリング、そして自由にお絵描きができるチョーククロス。家全体が、子どもたちの好奇心を刺激する仕掛けに溢れています。
中でも象徴的なのは、150cmという通常より高い壁で囲ったバルコニーです。水栓を備えたこの場所は、夏には周囲の視線を一切気にすることなく、ビニールプールで水遊びを楽しめる「究極のプライベート空間」となりました。
高い天井、壁、屋外まで。家じゅうが、子どもたちの遊び場になりました。
家が変われば、
家族の表情が変わる
かつては冷たく無機質だった倉庫の2階。今そこには、無垢材の温もりと子どもたちの弾けるような笑い声が響いています。
「子どもが喜ぶ家にしたい」という施主様の純粋な願いは、プロの技術と自由なアイデアによって、想像を超える「秘密基地」として結実しました。
リノベーションは、単に建物を新しくすることではありません。そこに住む家族の未来を、より明るいものへと書き換える挑戦なのです。
長年使われていなかった会社の倉庫が、家族の住まいへ。