50年ローンという「超長期の約束」をどう捉えるか【社長コラムVol.22】
- 平松
- 13 時間前
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最近、住宅ローン市場で大きな注目を集めているのが「50年ローン」です。これまでは35年が最長というのがこの業界の常識でしたが、一部の金融機関がその壁を打ち破りました。物件価格が高騰し続ける現代において、一見すると「救世主」のようにも見えますが、家づくりを通じて生涯お客様とお付き合いをする者としての視点でお話ししたいと思います。
「月々の支払い」がもたらす錯覚
50年ローンの最大の魅力は、月々の返済額を極限まで抑えられることです。例えば、1億円近い物件でも、50年というスパンで割れば、共働きの世帯なら手が届く数字に見えてきます。「今の家賃と同じくらいで、理想の暮らしが手に入るなら」と、心が動くのは当然のことでしょう。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。返済期間が長くなるということは、それだけ「利息」を支払う期間も長くなるということです。金利がたとえ低く設定されていても、50年という歳月が積み重なれば、総支払額は35年ローンとは比較にならないほど膨れ上がります。私たちは「月々のキャッシュフロー」に目を奪われがちですが、生涯で失う現金の総量についても、もっと敏感になるべきです。
80歳まで続く返済のリアリティ
もう一つの課題は「時間」です。30歳で家を購入した場合、完済は80歳。一般的な定年退職の年齢を遥かに超えています。 「退職金で返せばいい」という考えもありますが、今の時代、退職金の額は不透明ですし、老後の生活資金も確保しなければなりません。50年後、その家はどうなっているでしょうか。築50年の住宅は、たとえメンテナンスを続けていても、建替えや大規模なリノベーションが必要な時期を迎えています。家の寿命とローンの終わりが同時にやってくる。このリアリティを想像できているでしょうか。
50年ローンを「正解」にするために
私は50年ローンを全否定するわけではありません。むしろ、戦略的に使うのであれば「あり」だとも考えています。 大切なのは、「長く借りて、短く返す」という意識です。今の生活の質を落とさずにゆとりを持ちつつ、余裕ができたときには積極的に繰り上げ返済を行う。あるいは、物件価格が上がったタイミングで売却し、ローンを完済する「出口戦略」をセットで考えておく。
50年ローンは、家を買うための手段ではなく、資産をコントロールするための「高度な金融商品」だと捉えるべきです。無計画に飛びつくのではなく、緻密なライフプランニングがあって初めて、この選択は「正解」に変わります。





